幸せの時間(6)
離婚届まで用意した智子だったが、浅倉のケガをきっかけに考え直す気に。
しかし、ふたりの間には、今までとは違う何かが隔たりを作り出しているようだった。
耀子は同僚に紹介された田口とホテルに行ったが、かえって浅倉を愛していることを再認識してしまう。
彼等の人生の歯車は回り続けていた。
少しずつだが確実に、小さなきしみ音を響かせながら、明日という名の闇に向かって……。
路上で耀子とキスをしているところを、またしても奈津に見られてしまった浅倉。
良介が塾の補習だと嘘をついて奈津のもとへ行ったのは分かっていたが、智子にそのことを告げれば、自分がしたこともバレてしまうかもしれない……。
同時に、友人・矢崎の妻の入院費用として100万円を貸さずに、耀子の引越し費用に遣ってしまったこともバレるのではないかと、浅倉は恐々としていた。
耀子の誕生日に遊園地へ行った浅倉は、通りすがりの女を智子と見間違え耀子を突き飛ばしてしまい、怒らせてしまう。
だが、耀子はしおらしく浅倉に謝った。
ところが耀子は、浅倉の子どもを身ごもるために画策していたのだった! そんなことも知らず浅倉は、下請けの晨宋建設の手抜き工事を見逃すかわりに受け取った金で、台湾出張に耀子を同行させたのだ。
台湾で取引先の美人営業部長・白川と関係してしまったのを耀子に見られた浅倉。
しかも耀子は40度の高熱で、浅倉と共に帰国できなくなってしまう。
病院で耀子は浅倉に別れを告げた。
一方、智子は偶然にも町内会の集まりで高校時代の初恋相手・柳と再会し、浮気をしてしまった! そして浅倉は、晨宋建設の古河社長に金を握らされ、大きな河を渡ってしまったことに改めて気づくのだった。
家に帰って来なくなった良介を心配した智子は、奈津の家に乗り込んだ。
ところが浅倉は良介が高校を中退することをあっさりと許した。
それが奈津に耀子とのことをバラされたくないゆえだと気づいた奈津は「最低の男」だと罵った。
疲れ果てた浅倉は、宣伝部の望月を口説こうとするが拒否され、金で思い通りにしようとする。
帰国した耀子は中絶のため産婦人科に行くが、土壇場で取りやめ、浅倉に責任を取らせようと心に決めた。
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